研修リポート

前回のニュース&トピックスでトランスウェブから3名のドライバーがSCANIA Driver Training 2017に参加したことをお伝えしました。SCANIA社では車両の開発に加え、Driver Trainingのようなソフトウェアの開発にも力を入れていますが、その中の大きなプロジェクトとしてSCANIA TRANSPORT LABORATORYがあります。これは欧州の物流の典型的なパターンをいくつかピックアップ。2年以上の実際の運行から得られるデータを分析し、効率的な運行モードを探し出すというもの。

その中で国を跨ぐ国際的な長距離運行コースの典型例として定められたのが、SCANIA社の工場があるオランダのZWOLLEからデンマークの首都コペンハーゲンを経由し、スウェーデンのストックホルムまでのおよそ1200km以上のコース。走るのは写真のようなトラックにトレーラーを接続した全長32mもの巨体。最大積載量は60トンに及びます。この長期テスト車両にトランスウェブの3名も同乗するという機会を得ました。

季節柄道路には積雪や凍結があるという厳しい条件の中での一泊二日の旅。現地のドライバーとのコミュニケーションにはスマホの翻訳ソフトが大活躍しました。巡航速度は78km/h。これはこれまでのテストから燃費や二酸化炭素排出量がもっとも良好になる速度なのだそうです。また5台以上のトラックが連なって運行するのですが、仲間の現在地や運行状況を把握するためのタブレットがドライバーに支給されていました。

車両メーカーが車両の開発だけではなく、実際の運行状況をテストし、カタログにある燃費だけではなく、もっとも効率的な運用を提示しようとする姿勢に、研修の3人は大きな感銘を受けたようです。

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株式会社トランスウェブでは、以前から積極的に物流先進国である欧米に社員を研修目的で派遣してまいりましたが、2017年第一弾として2月中旬にスウェーデンで開催されたSCANIA Driver Training 2017(5th)に東京営業所から3名のドライバーが参加しました。代表の前沢は言います。「例えば“安全”ということだけを見ても、ヨーロッパと日本では根本的に考え方が違います。よりダイナミックで実践的な考え方に直に触れて、しっかりと自分で考え、日々の仕事に活かして欲しい」と。

SCANIA Driver Trainingでは、広大なテストトラックに数多くのスカニア製トレーラーと世界中から参加するドライバーが集まります。コーチがマンツーマンで指導するのは、従来のドライビングテクニックや安全に対する啓蒙だけではありません。いかに短時間で、少ない燃費で、少ない二酸化炭素排出で、効率的に物流を構築する最適なノウハウを、実践的に丁寧にレクチャーしてくれるのです。

参加したのは、モータースポーツ班/桃坂健二(勤続13年)、車両陸送班/友利吉夫(勤続10年)、エアカーゴ班/五十嵐郁雄(勤続3年)の3名。昨年フルモデルチェンジしたNEW SCANIA(新型トレーラーヘッド)を使った研修に3名は大いに感激し帰国しました。今後彼らが学んだことを社内で広めることが、株式会社トランスウェブをよりレベルの高いドライバー集団へと導いてくれるに違いありません。

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アッセンTTサーキットはMOTO GPで有名なサーキットですが、この二日間は、2000台以上のトラックで溢れかえります。メインコースでは“走る”様々なイベントが行われます。トラクターでのパイロンスラロームやタイムアタック。ジェットエンジンを搭載したトラクターのデモ走行や観客が選ぶデコトラのお披露目走行などが目白押し。一方パドックでは参加者達自慢のトラックが所狭しと並び、皆仲間達と思い思いのスタイルで二日間を楽しみます。圧巻はラスト。イベントの終了に伴い集まった2000台以上のトラックが一斉に家路につくのですが、サーキット近くの道路には多くの人々が集まり、去り行くトラックへ手を振り続けます。
オランダはまさに“運送の国”。こんな光景を日本でも見ることができれば、と参加するたびに思うのです。

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2016年7月30日、31日の二日間、オランダの首都アムステルダムの北東およそ100kmに位置するアッセンTTサーキットにて、トラックスターフェスティバル2016が開催されました。トラックスターとはヨーロッパでは有名なオランダのトラックマガジンで、彼らは1981年以来36年間もこのフェスティバルを続けています。
私(代表取締役前沢)も何回か参加していますが、今年はIAA2016ドイツ、ハノーバーで開催される商用車のモーターショウに展示予定のAircargoトレーラーの打ち合わせを兼ねて、車両課の平沢君と見てきました。このフェスティバルには多くのトラックメーカーも参加していますし、“オランダで最も美しいトラックを選ぶ選挙”や音楽イベント、クラシックトラックなども展示されます。2000台以上のトラック、5万人以上の人々が参加するフェスティバルに大いに興奮した次第です!

研修四日目。本日の目的地はモナコ、バルセロナからおよそ700kmの道のりです。5月末に開催されるモナコGPの準備の様子を視察します。モナコに到着後、駐車場で度肝を抜かれました。周りは全て高級車ばかり。隣にはマイバッハ、そしてロールス、ポルシェ、フェラーリ・・・。失礼ながらトヨタヤリスは完全に場違いですね(笑)。
さてコース視察です。開催およそ3週間前なので、あちらこちらで観客席などが急ピッチで建設されていました。さらにテレビで見慣れたモナコGPのコースをヤリスに皆で乗り込み、ドライビングすることもできました。これには本当に興奮しました。公道に赤白の縁石があるなんて日本では考えられませんからね。
今回のおよそ1週間の研修を通して痛感したのは、クルマやクルマが作り出した文化が社会に根付いているなあ、ということ。そしてクルマのメリットを活かすような、合理的なルール作りがなされているとつくづく感じました。普段は目の前の仕事に追われている私ですが、この研修でクルマに携わる仕事に従事する者として、新たな視点を得られたと思います。

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研修三日目。ホテルからおよそ30分でカタロニアサーキットへ。この日は月曜日、F1ウィークの搬入日です。我々が着いたときには、すでにパドックには所狭しと数多くのトランスポーターが並んでいました。ここで私が驚いたのは、どのチームのトランスポーターもトレーラーヘッドは最新型でした。常に最新モデルと接することができるのは、トレーラードライバー冥利に尽きると思いました。まあ、メルセデスやルノー、クルマメーカーの競争ですから当たり前といえばそうですが・・・。そしてどのトランポもピッカピカに磨き上げられています。おそらく大陸を長距離走ってきたのですから、汚くても当たり前です。不思議に感じていると、なんとサーキットにトランポ用の洗車場があることに気づきました。同じチームのドライバーで協力し合い、洗車しています。日本人ほどの洗車好きはいないと思っていましたが、やっぱりクルマ好きなら自分のクルマをキレイにしたいのは世界共通なんですね!
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二日目はバルセロナを目指します。ニースからフランスに入り、マルセイユ、モンペリエと地中海に面した街を通過しつつのおよそ700km旅。基本高速道路を移動したのですが、パーキングエリアに立ち寄ると日本との違いを痛感しました。まずトランスポーターがデカイ! いわゆる日本の大型トラックよりも長い。さらにリアにもう一台、牽引しているクルマも多くあります。そして日本では見ることのできないものも。例えば写真のトラクターを積載しているトレーラーは、積載位置が非常に低く作られています。おそらく積載もしやすいし、走行時の重心も低くできるので、こうなったのでしょう。画一的な日本国内では見ることのできないトレーラーです。またアイドリングストップも徹底していました。休憩中にエンジンをかけているクルマはありません。ドライバーひとりひとりのマナー、ルールを尊重する気持ち、そして環境への意識の高さを実感しました。

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皆さん、初めまして。トランスウェブ社員の今泉賢二(29)と申します。東京営業所輸送部モータースポーツ班に勤務し、S-GTを担当しています。トランスウェブでは毎年研修としてヨーロッパ視察を実施しているのですが、今年は幸いにも私が行くことができましたので、そのご報告をしたいと思います。

さて今回の研修の一番の目的は、スペイン、バルセロナのカタロニアサーキットで行われるF1GPの視察です。とは言ってもレースを観戦するのではなく、それを支える裏方、多く稼働しているトランスポーターがどんな仕事をしているのか? を見に行くというわけです。メンバーは前沢社長、佐々木常務、イタリア人ながらトランスウェブ社員のローバー・ジュリアーノの4名。ミラノリナーテ空港でレンタカーのヤリス(海外仕様のヴィッツ)を2台借り、カンヌ手前の港町、サント・ステファノ・アル・マーレのホテルまで250km。1日目はこれで終了。
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